第71回 フィネスよりもエスタブリッシュから

No.8 Q8 (HANAの参考オークション)
Vul:None AQ542
Dealer:W 72 1S 2H P(1) 2S
OL: KQ75 3C 4H
KJ7654
932
1096
KJ10 86543
8632
A10
KJ73
AQ9
J1094

(1) 3枚ありますが、あまりにHCPがありませんから、パスしましょう。
すぐ4レイズしたい気持ちでしょうが、先ず2キュービッドをします。
理由は: (1) Nが形良いハンドをしている時、スラムの可能性がある。
(2) すぐ4レイズに、EWに4でかぶせられた時、それをダブルべきか、5をビッドすべきか、の判断材料が不足。
(3) すぐの4レイズは、プリエンプティブゲームレイズといって、HCPは少ないが、5枚のサポートの多いハンド表現になる。
ミニマムな2オーバーコールならば、3をビッドするところですが、少し余裕があるハンドなので、3ビッドで形を教えることにします。
ここで、4のゲームビッドをするとよろしい。
リード トップオブナッシングの9をリードしても構いません。 どちらでも。

(プレイ展開例)
T1:2−A−7− KはWですから、Aですぐ勝ちます。
T2:K−6−2− ドロートランプに取りかかります。
T3:3−9−A− 3−1ですから、
T4:4−9−J−10 最後のをSでかり集めて;
T5:J−A−5− Sから、Jをリードします。
T6:K−Q−3−10 WはKをキャッシュしますが、
T7:J−2−4− Wは困ったことに、ラフアンドディスカードのか、AQに向かっての振り込みのリードの選択しかありません。 実は、Wはスローインされているのです! 偶然的なスローイン成功で、ルーザーが解消されて5メイドになりました。 大事なところは、AQのフィネスを急がないことです。 それより、必ず負けるAを追い出してエスタブリッシュに先に向かうことです。 それと、SからJをリードすることで、WがAダブルトンの時でも、すぐAで上がらないかもしれませんから。 偶然的でも、スローインが成功すると気持ちのいいものです。