第1回 ダッキングでエントリを確保する


No.8 J73 (HANAのオークション例)
Vul:Noen A983
Dealer:W K63 1D 1N
OL: A54
K94
102
Q104 K52
AJ954 Q1072
KJ Q976
AQ865
J76
10832

(プレイ展開)
T1:6−4−J−
T2:7−10− ?  さて?

 SはEの1NTに対して、「長くて強いスーツのフォースベスト」である、6を選択しました。 Wからの4のプレイに対し、Nは「サードハンドハイ」Jをプレイ。 Nはパートナースーツ()のエスタブリッシュに協力します。73の残り2枚ですから、「ダブルトンは上からリード」に従って、7をリードします。 Eの10のフォローに対してSは?

 正しいディフェンスは、サードハンドハイのAで無く、5をプレイして、このトリックを負けておき、Aのエントリを温存することです。 これを「ダッキング」と呼び、スーツ自身でエントリを確保する目的です。 Sから見て、3が見えていませんから、Nが元々J73を持っていて、73から、7をリターンして来た期待は十分持てます。 Sは、サイドスーツにエントリがありませんから、自身でエントリを期待するのです。 ダッキングすれば、NがKで勝ったおり、3−x−A−K、Q、8と取れます。 A、Aで合計7個取れ、Eの1NTは1ダウンさせられるのです。 ちなみに、Sがサイドスーツに確かなエントリを持っている場合は、Aで勝ってをクリアするプレイで問題ありません。