第7回 フィットした2の代で売るべからず


 左手のオポーネントがビッドし、それがパス,パスで流れてきました。 ここであなたもパスをすると、コントラクトは決定します。 そんなポジションの事をリオープンポジションと呼び、競り合いでは重要な時なのです。

 オポーネントがビッドし、シングルレイズして流れてきた時は、安易にパスして売り渡してはいけません。 なぜなら、オポーネントがフィットしたということは、自分たちもフィットしている可能性が高いということですし、オポーネントがゲームトライもせずに低く止まろうとするということは、自分たちも20点近くのHCPがありそう、ということだからです。
 リオープンでは、非常に積極的にビッド、またはダブルで競り合いましょう。自分たちの良いコントラクトが見つかるかもしれませんし、仮にダウンするコントラクトでも、オポーネントのコントラクトを売るより安く済むサクリファイスになっているかもしれません。 それに、オポーネントが更に競り上がってくれて、ディフェンスのチャンスが大いに増すこともしばしばあります。

(オークション例) (1H) パス (2H) パス
(P)

(1) Kxxx (2) Qxxxx (3) xx
xx Jxx xxx
Qxxx Kxx
Kxx Kxxx KQxxx
ダブル

(1) オープンに対しては、弱いですからテイクアウトダブルしませんが、2が流れてきたら、ダブルでリオープンします。
(2) オーバーコールはしませんが、リオープンはしましょう。
(3) パートナーに、3枚、12HCPを期待してリオープンします。

(4) KQxx (5) xx (6) xx
Axx xx AQJx
xx KQxx xxxx
xxxx Kxxxx Qxx
2NT パス

(4) でリオープンします。 ダブルでリオープンしますと、パートナーが3をビッドしてくると困るからです。 こんな時は、4枚スーツでも、リオープンの時は、ビッドして構いません。 2で売らないのが大事なことなのです。
(5) アニュージュアル2NTでリオープンします。 で競り合いましょうの意味です。 リオープンですから、5−5なくてもOKです。
(6) オポーネントスーツが長く(4枚以上)内容が良い時は、パスで売る判断をします。 こんなトランプを持っている時は、2の代で売り渡しても、十分な楽しみがありますから、不満ありません。